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エネルギー業界の本当の裏話

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「当たる」は確率的な話に使う言葉

宝くじは「当たる」。
しかし大概は当たらない。
しかし事業は成り立っている。
何故なら、そういう世界だから。

石油にも同じように「当たる」という言葉を使う。
それは、そういう世界だから。
石油はセンミツ、千本に3本当たれば成功と言われる事業なのだ。

石油公団の黒い噂が道路公団のノリで週刊誌に載って消えた。
これは石油を知らない人による表面的な考えだったためだ。
石油を「鉱区から取る」には先行投資するしかないのだ。

鉱区を取って、初めて「石油を買うだけ」の体勢から脱出できる。
その鉱区を取るのには極めて高い専門性が要る。


どこに石油が眠っているのか。
鉱区を決めた後には、現地との交渉が待っている。
そうして得た鉱区に、本当に石油(ないしガス)があるかは分からない。
何年にも渡る大事業だ。

苦労して手に入れた鉱区を最初から本格的に彫ると損失リスクが高いため、鉱区を取った後は必ず試掘をして原油かガスの有無をチェックする。この試掘は億単位かかるが(あまりに大きい規模のため、半分国の事業になる)、何本か掘ってガスなり原油なりが出れば、10年20年に渡るエネルギー確保となるわけである。(最近ではマレーシアのガスが成功例)

つまり、「当たり」という言葉は、少しばかりのエネルギーが出る程度では使わない。ドカーンと出て、確実に次の試掘に繋げるくらいの儲けが出て「当たり」である。なので、大抵は探りながらの試掘をして、段階ごとの判断をするのである。技術屋にとってこれは大変責任とプレッシャーのかかる事業である。

これを知らない人が「試掘に何億円かけた、何も出なかった、ひどい話だ」というわけだ。

そういう人が多いと「石油を言い値で買うだけ」で、永遠に技術も育たないことになる。長い間日本は石油に関してはアラブやロシア、欧米の言いなりだったが、長年かけてコツコツと専門家を育て、チームを作り、失敗も成功も皆でシェアしながら助け合い、その体制から脱却したのである。

しかし、石油チームの内部にシロウトみたいな考えの上司がいると、本当にどうしようもない。鉱区を決めるのはチーム一丸となった何年がかりの一大事業なのだから。
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by periphery | 2011-07-01 01:00 | 石油試掘とは
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